フェアトレード商品を自分で買付ける

海外に自分で出かけて商品を仕入れる、というのは、フェアトレードに興味を持つ人であれば、多分誰にとっても楽しいことだろうな、と思います。実際に海外滞在中にいろいろな商品を仕入れてみたりもしましたから、良いものに出会ったときの喜びは忘れられないものです。

では勧めるか?と言えば、日本にいてこれから独自にフェアトレードを始めようという人には、絶対に勧めません。もしお店に置きたい商品が単なる雑貨であれば、あちらこちらをまわって仕入れてくればよいだけですが、フェアトレードはあくまで「トレード」です。重要なのは継続した貿易によって、生産者も販売者も利益を得る点です。

自分が行きたいときだけ行って、単に好きな商品をかき集めてくる、というのでは、フェアトレードとは呼べません。生産者の側も、気まぐれで来るような買い手はさほど歓迎しないことだと思います。

一方単なる趣味の雑貨ショップ、と割り切るのであればそれはそれでOKだろうと思います。まず自分がやりたいのが単なる途上国の雑貨の店なのか、フェアトレードなのか、その点を整理して考えてみたほうが良いでしょう。

無論「雑貨店だから悪い」ということは決してありません。逆に無理にフェアトレードを意識する必要はない、ということです。途上国から物を輸入すれば、それなりに途上国の人たちの利益にはなります。ただ意図してフェアトレードを行う場合に比べて、末端の生産者が受け取る収入がかなり少ない、というだけのことです。