フェアトレード商品をモールやオークションで売る

ネットショップが集まったモールには数多くありますが、できれば大手を利用する方が集客力が高くなります。理由は、モールを訪れてから商品検索を行う人がかなりいるからです。たとえばコーヒーを買おうと考えた場合、いきなりYAHOOなどで「コーヒー通販」と検索するのではなく、楽天市場に入ってから「コーヒー」と検索する人がかなりいる、ということです。

現在一番のお勧めは楽天市場です。マーケッティングに関するアドバイスなども受けられ良いのですが、問題は利用料が最低でも月に5万円ほど、さらに売上げに応じた利用料の率もあまり低くない点です。そのせいで、小規模な店舗はいったん楽天市場に出店しても、わずかな間に店をたたむケースもかなりあります。資料請求は無料ですから、資料をよく読んで検討されると良いでしょう。 楽天市場の出店資料請求は、こちら

楽天市場以外だとYAHOO Shoppingと言ったところが大手です。

また手数料が多少高くてもよいのであれば、きちんとした店舗ではなく、楽天市場のフリマに出し続けることもできます。一度に多くの商品を出す仕組みも用意されていますが、独自のお店を構えている、という雰囲気にはなかなかなりません。

YAHOOオークションが一般的に物は売れるそうですが、手数料が楽天よりも高めですのでその点に考慮が必要かと思います。

それでもアメリカではオークション・サイトのe-bayを利用して物を売って生活している人もかなりいるそうですから、決して日本でも不可能なことではありません。実店舗の高い家賃を考えたら、さほど無茶な手数料でないのかもしれません。

自社ネットショップとモールはどちらがよいか?

無論一概にはどちらが良いか言えませんし、デザインや独自性にこだわりたいのであればやはり独自のホームページを持つしかないでしょう。

しかし、それは利益を上げられる構造になっているかどうかとはまったく別問題。利益を上げるためには、見込める収益を考えてどちらにするかを選ぶべきでしょう。どれくらい売れたら手数料のかかるモールやオークション・サイトを使って利益が出せるか、そのシミュレーションをしてみれば良いと思います。

フェアトレード商品をネットショップで売る

最近は実店舗に加え、あるいはそれに代わるものとしてWEB上にお店を持つ、ということも可能です。WEB上の店舗なら実店舗に比べてコストは非常に少なくて済みますし、第一東京の一等地にお店を出さなくても、有名なホームページと同じ土俵で競争することが可能です。

とは言ってもこれは「アメリカン・ドリーム」と同じ。誰にでも「そうなる可能性はある」と言っているに過ぎず、実際にネットショップで大幅な利益を出しているフェアトレード・ショップはそれほどないのではないかと思います。

ネットの特徴は多くの人が検索を使う点です。検索を使うときには既に関心のあるキーワードを調べますが、逆に言えば関心のないことは調べられない、つまり、人々の関心が少ない商品をホームページに掲載するだけでは全く訪問者すら得られないことになります。

ネットショップを持つ方法は二つあります。一つは独自のホームページを持つこと。多くのフェアトレード・ショップはこのようにしていると思います。もう一つは楽天市場のショッピングモールのようなところに出店すること。まあ実際には最近はこの中間のような形態のサービスもありますが。

自社サイトでのネットショップ

自社サイトでネットショップを持つためには、当然のことながらホームページを入れるサーバーが必要ですが、ネットショップに特有な機能をサポートしている必要があります。

数種類しか商品がない場合ならフォームを使ったメール送信による申込みで間に合うかもしれませんが、商品数が多くなればショッピングカートや在庫管理、さらには決済の仕組みなどの導入も必要になります。後述のモールやオークションを使えば簡単に実現できますが、料金が高かったり、オリジナリティが出しにくいといった問題もあります。

最近ではネットショップを比較的容易に開店でき、運営のためのツールを提供してくれるサービスも増えてきています。基本利用料はおおむね月額数千円から固定の場合が多いですから、多少の売上げが確保できるのであれば十分考慮するに足るオプションです。

一方決済の仕組みを導入するためには、多くの場合売上げの数%の手数料がとられ、オプションによってはさらに月々の固定費もかかってきます。たとえば当社の新しいビジネスへの導入を考えているEストアーの場合ですと、初期費用が9450円のほか、月額基本料は2880円から、クレジットカード決済の基本料が1890円からとなっていますから、最低約5千円の固定費を払えば一通りの機能が付いたネットショップを開設、運営することが可能です。ネットショップ開設・運営はこちら。

フェアトレード商品を自分で買付ける

海外に自分で出かけて商品を仕入れる、というのは、フェアトレードに興味を持つ人であれば、多分誰にとっても楽しいことだろうな、と思います。実際に海外滞在中にいろいろな商品を仕入れてみたりもしましたから、良いものに出会ったときの喜びは忘れられないものです。

では勧めるか?と言えば、日本にいてこれから独自にフェアトレードを始めようという人には、絶対に勧めません。もしお店に置きたい商品が単なる雑貨であれば、あちらこちらをまわって仕入れてくればよいだけですが、フェアトレードはあくまで「トレード」です。重要なのは継続した貿易によって、生産者も販売者も利益を得る点です。

自分が行きたいときだけ行って、単に好きな商品をかき集めてくる、というのでは、フェアトレードとは呼べません。生産者の側も、気まぐれで来るような買い手はさほど歓迎しないことだと思います。

一方単なる趣味の雑貨ショップ、と割り切るのであればそれはそれでOKだろうと思います。まず自分がやりたいのが単なる途上国の雑貨の店なのか、フェアトレードなのか、その点を整理して考えてみたほうが良いでしょう。

無論「雑貨店だから悪い」ということは決してありません。逆に無理にフェアトレードを意識する必要はない、ということです。途上国から物を輸入すれば、それなりに途上国の人たちの利益にはなります。ただ意図してフェアトレードを行う場合に比べて、末端の生産者が受け取る収入がかなり少ない、というだけのことです。

フェアトレード商品を売り込む

海外の生産者団体と繋がりがあり、日本で売りたい商品があるとします。その場合はどうしたらよいでしょうか?もちろん商品の売り込みです。

はやい話が小売や通信販売をしている、主だったフェアトレードショップや、雑貨店などをまわって売り込みをかけ、実際に商品を見てもらうのが一番。経験のある人たちが商品としてやれるかどうかをきちんと見てくれることでしょう。

そこで「これはちょっと…」と言われるようなら、商品としては売れる見込みがないか、需要が非常に小さいか、売る手間がかかるか、あるいは値段が折り合わないか、いずれにしろ経験者の目から見てまず「だめ」ということだと思います。

商品性のチェックをしたいのであれば、インターネット上のオークションやフリマに出品してみるのも手だと思います。値段を低めに設定して出して見れ、もし売れたら商品としての可能性あり。「安い」と思っても売れないようなら、商品としては再考した方がよいでしょう。

私は banabana.com でバオバブの種の商品性のチェックを行い、実際に売れることを確認して販売ルートをNGOに譲りました。

一方「バザーに出したら売れました!」と言っている人がいましたが、バザーに来る人は、商品を欲しくて買うだけでなく、寄付のつもりで買う場合も多くあります。ちゃんと、商売として厳しい目で見てもらわない限り、売れる商品であることが証明されたことにはなりません。

フェアトレードを行う場合には、特に途上国で実際に現場のあるNGOなどの場合などは、往々にして「商品先にありき」のことがあります。無論そのまま、あるいはちょっと手を加えるだけで売れるような品物もありますが、「売りたい」と思っても売れないものは売れません。

いくら商品や生産している人々に思い入れがあっても、そこは抑えて、商品性を冷静に確かめる必要があります。それなくして製造だけしてもらっていても、すべての関係者の負担となるだけです。

フェアトレード商品を仕入れる

既に何かの形でお店をお持ちであれば、そこにフェアトレードの商品を加える、というオプションは非常に有効です。フェアトレード商品だけで生活費を生み出さなくても良いでしょうし、現在までお店が順調であれば販路の開拓もある程度はできていると思います。ゼロからのスタートと比べると、はるかに楽だと言えるでしょう。

商品の仕入先としては、もちろん海外から直接というオプションもあるのですが、それだと手間がかかりますし、あまり知らないこと、不得意なことに手を出しても、リスクを背負い込むだけになりかねません。

海外から仕入れるためには信頼できる仕入先が必要なのは言うまでもなく、輸送の手続き、通関の手続き、場合によっては検疫や関税・消費税の手続きなど、全くのシロウトには手に負えないことも多々あります。

やはり小売店として商品を仕入れるのであれば、日本国内にいて既にフェアトレード商品の卸を行っている団体や代理店から仕入れるのが手っ取り早く、確実だと思います。

フェアトレード商品の卸を行っている団体はこちらに資料がありますし、NGOなどで途上国の製品を売っているところに問い合わせてみれば、かなりの確率で仕入れることができるだろうと思います。

もし海外から直接仕入れたいのであれば、海外の生産者団体に何らかの繋がりがあり、なおかつ貿易の方法を知っていない限り、継続してまとまった量の仕入れを素人が行うことは困難だと思います。

フェアトレードショップを持つ

「どうやったらお店をもてるか?」という質問で困ってしまうのは、質問されている人がどのような経験があるのかまったくわからないことです。多分、多くの場合は何の経験もない方からの質問だろうと思います。何らかのお店を運営した経験がある方であれば、もう少し明確な質問が来るし、それ以前に多分質問しては来ないでしょうから。

さてフェアトレードに限らずお店を持つことはそれほど容易ではありません。実店舗を持つためには、それこそ場所を選び、商品を仕入れて並べ、お客さんの相手をして、経理をして、税金を払ってと、もろもろの面倒なことが降りかかってきます。場合によっては人も雇わなくてはなりません。そして、それだけをやってなおかつ利益を出し続けなければお店は続きません。

「どうしても」という人にお勧めするのは「フェアトレード以外のお店をまず持つ」ということです。すべてフェアトレードの商品で固めるとなると、余程の立地条件か、余程の商品構成がない限り、まず利益を上げることすら困難ではないでしょうか。つまり、ある程度利益が出るようなお店を持って、そこからフェアトレードの商品を置く、ということです。

実は、私の知っているフェアトレードの実店舗の多くは苦戦しています。他の商品の売上げで生活しているケースも多々あります。

卸はいかが?

もしすでにフェアトレードの商品を輸入されており、それを売るお店を持ちたい、ということであれば、アンテナショップならともかく、実店舗を持つよりも卸から始めることをお勧めします。販売チャンネルがまったくない状態からお客さんを呼ぼうとしてもとても大変だからです。

ネットショップというオプション

あるいは不特定多数の人の目に触れるチャンスがあるネットショップが有効です。ただしいろいろ工夫やそれ相当のコストやはり必要ですが。それでも実店舗を持つよりはリスクは小さいと思います。

フェアトレードを始める

時々フェアトレードの経営に関して受ける質問で一番困るのが実は「フェアトレードを始めたいがどうすれば良いか」というものです。実際にはこれだけの情報では、誰にも何も答えることができるはずはありません。

今現在雑貨店など何かのお店を既に持っているのか、フェアトレード商品の仕入先を持っているので売り方を知りたいのか、フェアトレード商品の海外の生産者を知っているのか、そうした情報がなければ、一体具体的に何をしたいのかさっぱりわかりません。

多分このような漠然とした質問をする方は、現在何もない状態なのだろうと思いますが、何もない状態からフェアトレードを始めようというのは、かなり無理があります。商店(フェアトレードショップ)を持ちたいのか、フェアトレードの商品開発をしたいのか、フェアトレード商品の仕入れをしたいのか、地域住民へ商品開発や製造の指導をしたいのか、そうしたことを整理して考えて見ましょう。

フェアトレードの仕入れ

フェアトレード商品の仕入れをするためには生産している現地とのコンタクトがなくてはいけません。商品開発をするためには、もちろん商品デザインや素材、その他の知識が必要です。商店を持つには、経営方法や、経理の仕方を知っていることが必要になります。現地住民に指導するには技術やコミュニケーション能力が必要です。

自分が一体何をするかによって、必要な知識も、能力も、またコネも変わってきます。まず「フェアトレードをしたい」と思った時に、自分が関わることのできるのは何であるかを最初に考えてみましょう。

パートやアルバイトを雇用する場合の社会保険加入

パートやアルバイトを雇うことは結構ありますが、困るのがいわゆる社会保険料の掛け金。企業としてはできればアルバイト雇用にかかわる費用は減らしたいので、加入せずに済むなら済ませたいと思いがちですが、ちゃんと基準がありますから、勝手にアルバイトの社会保険を加入するしないを決めることはできません。

パートタイマーは厳密には短時間勤務者、つまり、勤務時間が短い勤務者と呼ぶようです。一方アルバイトは、短期間雇用者、つまり雇用期間が短い雇用者と理解されています。

パートやアルバイトのように勤務時間や勤務期間が短い労働者であっても、条件を満たす場合は、雇用開始時から社会保険の被保険者となりますから、手続きが必要です。

条件は以下の二つ。

1. 1日または1週間の勤務時間及び1ヶ月の勤務日数のいずれもが正社員のおおむね4分の3以上。

かつ

2. 雇用期間が継続して2ヶ月を超える。

当社では、わからない時にはすぐに関係する機関に電話をかけて「どうしたら良いですか」と聞いています。最近は、社会保険、雇用保険、それに税金関係も、問い合わせに対して結構親切に的確に答えてくれます。

平成23年税制改正での消費税免税事業者の改正

平成23年度(h23)の税制改正で消費税の免税事業者の認定に関する見直しが行われる見込みだそうです。

現在の消費税法では、個人事業者は前々年(1月から12月)の課税売上高、法人は前々事業年度の課税売上高が1千万円以下であれば、その年度の消費税の免税事業者となります。免税事業者は消費税の申告や納税をしなくてもよく、受け取った消費税はいわゆる益税となります。

今回の法改正で予定されているのは、免税事業者の認定基準を厳しくし、前年の上半期の課税売上高が1千万円を超えると、免税事業者の資格を失うことになるそうです。

つまり、前々年は業績が低空飛行でも、前年に入ってから急上昇し、半年で1千万円を超える課税売上を記録すると、アウト!ということになります。

影響を受ける事業者がどれくらいいるかはわかりませんが。

起業・開業・会社設立の動機

起業目標・創業の目的は人それぞれ

会社の起業・開業目的 ~わが社の場合

これから創業を予定されている皆様は、何故、起業したいと思われましたか?

ちなみに、私たちの会社の場合は「試しにやってみたことが利益を生み法人化すべき規模に達したので会社設立・事業化した」のが第一の目的で、あとは「自分たちの仕事や時間を自分でコントロールしたかった」というのと、また「会社の利益を自分たちで必要と思う社会貢献事業をまわしたい」という気持ちがあったことが2番目くらいの理由です。ですので、「会社規模の拡大」やましてや「上場」などはまったく望む企業形態でなく、「スロービジネス」が自分たちにあったビジネス運営スタイルです。夫婦で起業しましたので、会社の立ち上げ優先で、夫は家に帰らず、という猛烈起業家ではなく、家庭第一で運営しております。人によっては、「そんなのでは営利企業の起業じゃない!」といわれそうですが、こんな「スロービズ」でも一応起業以来黒字で運営しておりますよ~。あ、今のうちだけかしら?そうですね、うーん、次の一手を打たねば。

アンケートにみる起業・開業の動機・目的

さて、2006年に実施された国民生活金融公庫総合研究所の「ニュービジネスの開業事情」から、開業後1年以内の7850社に対して行なった、最もあてはまるもの1つだけを回答したアンケートでは以下の結果がでています。

起業・開業の動機~男性編 ベストランキング!

第1位  自分の技術やアイデアを事業化したかった   32.1%

第2位  仕事の経験・知識や資格を活かしたかった   17.9%

第3位  事業経営という仕ごとに興味があった      12.9%

第4位  自由に仕事がしたかった              12.5%

第5位  社会に役に立つ仕事がしたかった        10.3%

さて、女性経営者の起業・開業目的はなんだったと思いますか?男性と大きく異なる傾向は、男性ではランキング1位の「自分の技術やアイデアを事業化したかった」がさほど多くはなく、それよりも「社会の役に立つ仕事がしたかった」が多かったのです。自己と社会とのつながりを重視したものや、自己実現の選択が多いようです。また、「趣味や特技を活かしたい」あるいは、「収入を増やしたい」が男性とくらべて多かったのも特徴的です。女の私としては、少し気持ちがわかるような気がします。

起業・開業の動機~女性編 ベストランキング!

第1位  仕事の経験・知識や資格を活かしたかった     18.9%

第2位  社会に役に立つ仕事がしたかった           16.2%

第3位  自由に仕事がしたかった                13・5%

第4位  趣味や特技を活かしたかった               10.8%

第4位  自分の技術やアイデアを事業化したかった     10.8%

心にもう一度、問い直そう。起業するのは何のため?

上のようなアンケートは、与えられた選択肢の中からの回答ですので、実際はもっと多様な理由で起業されているかと思います。あるいは、目的がはっきり意識しなくとも潜在的にある起業目的となって運営されていることが多いようですね。

先日、お会いする機会があったのは、サラリーマンを定年まで勤めた50数年をかけて、コツコツ不動産投資を続け、サラリーマン引退後、不動産賃貸業の会社を興した社長さんでした。その物件数がすごい。サラリーマンをしながら、ビルを十数棟、アパートを数棟、駐車場を数物件所有し、資金潤沢な不動産REITを競合相手にしながら、若い女性が好む最新の設備・デザインでリフォームをかけてテコ入れする攻め不動産運営で会社を経営されていました。

驚いたのは物件数規模ではなく、そのバイタリティ!定年退職後も、フルタイムで不動産経営に携わっていらっしゃり、不動産経営が楽しくてしょうがない、っといった感じの方で、今後の会社経営の方針を熱くかたっていらっしゃいました。また、別の知り合いの不動産オーナーの方も70代のベテラン組ですが、やはり保有物件数は結構あるし、経済的自由はとっくのとうに得たし、なのに(といっちゃいけないか)、今でも物件数を増やしています。1つの物件にお邪魔すると、社長みずから、大工の棟梁とともにリフォームの現場入りをして、体を動かしている!この方も不動産経営自体がおもしろくってしょうがない、といった感じの方でした。仕事=生きがい、定年なんてないように見受けられました。お二人とも生き生きとされています。こちらの方々の起業目的は、やはり私やその他の方々とは違うような気がします。

さて、もう一人の高度成長期時代の落とし子といった感じの起業家は最近のベストセラー、神田昌典氏の「成功者の告白」に登場するタクという脱サラリーマン起業家の場合、家庭と会社組織運営の調和、がある種起業のテーマでした。カリスマ経営者といわれる人が家庭に破綻をきたしている例の多さ、あるいは立ち上げたビジネスの好調度に反比例するかのように、組織や家庭が崩壊している(いく)状態。高度成長期の「父親不在」の家庭により生み出された歪み~離婚・幼児虐待等、の原点に起業家としての生き様が反映しているとしています。同書には、タクとそのメンターである友人との会話の中で、鋭くこう書かれてあります。

「夫が会社でストレスを感じれば、妻にあたる。酷い場合には、気づかないうちに妻による子どもの虐待にもまで発展する。虐待するなんて想像するできない、極めて知的レベルの高い女性たちが、無意識に虐待してしまうんだ。」

「ということは、学校のいじめも、母親の怒りが学校内で再現されているんですね?」

「そうなんだ。怒りというのは伝染する。怒りのキャッチボールを社会全体で行なっているのが、現代という時代だ。」

「その怒りの原点が経営者なんですね。」

「そうだよ。だからこそ経営者には、しっかりとした家族観や哲学が必要となるんだ。問題は、自分の社会に対する影響力の大きさを知った上で経営している経営者がどのぐらいいるかだよな」

高度成長期をある種生き抜いた両親を持つ30代の女性という私としましては、大変共感する内容でした。

さていったい何のために起業するのでしょう?

つまるところ、人それぞれなのかもしれません。しかし、こんなありふれたことを自問すると、自分の価値観やビジネススタイルや規模がはっきりしてきて起業後にも役に立つかもしれませんね。